もじれ織り

もじれ(り)織りは、紗(しゃ)、絽(ろ)、羅(ら)という織りかたがあるのだそうです。

11月20日、雫石町へもじれ織りを見学するために、織房 樹羅々(きらら)さんへ伺いました。

 

もじれ織りとの出会いのきっかけは、スタッフが木工作品展に足を運んだ時のことでした。椅子やテーブルに溢れた木工展なのになぜ織物が展示してあるのか?と疑問に思い、お話を伺ってみると、それが「科の木(しなのき)」から織る、もじれ(り)織り・・・ということだったそうです。「衝撃!」と言っていましたが、木から織物が出来ことは本当に驚きです。国内では山形県、新潟県の一部でのみ昔から生産が行われているとの事です。実際に作家の方ご自身で、山に行かれ、科の木から木の皮を剥いで、薄くして、撚って織るのだそうです。水で洗い、糠床へ漬け、洗い乾かしてと・・・全て工程をお一人でされるそうで、とても手間がかかります。

 

工房とその工程を見せて頂きました。

これが皮を剥いだところ。外皮の内側にある部分を使用するそうです。丸くなっているものです。

1枚づつに剥がれた薄い皮を輪状に束ねたもの。皮に隙間が多いとすぐに切れてしまうそうです。

皮を細く裂き、これを繋いで糸にします。

こちらの写真は、機で織られた反物が作品として完成したものです。
作家の方は作品同様とても素敵な方でした。本当にありがとうございます。

 

※この織物に使われている素材の シナノキ について

シナノキは菩提樹と同属で、日本の各地に自生する落葉高木です。

夏には香りの良い淡黄色の小さな花をつけます。

シナ」という名は「結ぶ・縛る」というアイヌ語に由来し、樹皮の靭皮繊維は強く、水湿に耐えるので昔から縄や蓑(みの)として使われてきました。

梅雨の頃に樹皮を剥ぎ、内皮(靭皮繊維)を灰汁で煮ることと糠漬けによって、やわらかく、しなやかになり繊維に適した皮になります。皮を細く裂き、糸績み、糸撚り、染色などの工程を経て、身体と機(はた)とが一体となった地機(居座機)で「綟り織」を織ります。

一連の作業に携わりながら、樹の記憶に思いを馳せ、シナノキの特性と魅力を織物の中に生かしていくことができるように努めてまいりたと思います。

                

 ※もじれ(り)織り・・・もじれ織りは、紗(しゃ)、絽(ろ)、羅(ら)など、経糸が互いにからみあう独特の組織をもつ織物の総称です。

紗は二本の経糸が一越しの緯(ぬき)糸ごとに左右にもじれる組織の織物であり、絽は、紗と平織とを組み合わせたものです。羅は、一本の経糸が隣り合った左右二本の経糸に交替にもじれるもじれ織物の中でももっとも複雑な技法を必要とする織物です。

いずれも組織の上から隙間のある地風は、通気性もよく、おもに夏の衣装として用いられてきました。

中国では羅は約2000年前の前漢時代からすでに織られ、日本でも正倉院に羅と紗の遺品が伝えられています。

視覚的な涼味と美しい織目を素材とともに生かし、現代の生活空間にあった新しい作品を創り出したいと思っています。

                   織房 樹羅々 織人 佐藤 徳香 

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